前口上
実は昨年度まで地方公務員でした。地方市役所で働いていましたが、色々と思うところがあって辞めました。
Why は別記事でゆっくり書いていこうと思うけど、まずはどうやって辞めたのかっていう How を共有しようと思う。
公務員というと安定していて仕事は楽で給与は高くて社会的地位があると思われがちだけど、そんなのは幻想である。
そんなのは幻想なのは分かってたけど、それにしても酷いよね、酷すぎるよね、マジで。みんな早く辞めようぜ!
公務員を辞めたい人はたくさんいると思うけど、実際にどう辞めればいいのか分からない人のために私の経験をアウトプットしておくからさ。
公務員を辞める、というのは民間を辞める場合と少し違って種々の面でかなりの決意と決断が必要になると思いますが、本記事が参考になれば幸いです。
※なお、本記事は地方市役所で働く公務員を前提としており、私の経験則によるものなので一般的でない記述もあるかもしれません。
民間との違い
まず言っておきたいのが、民間と公務員では退職という行為の位置が異なるということだ。
民間であれば、退職というのはありふれた話で、その人が退職しても業務が回るかどうかが問題の主軸である。
業務が回らないなら採用活動を行えばよく、人の補充は比較的すぐできるし柔軟に対応可能だ。
予算上できない中小企業もあるとは思うが、従業員規模が市役所と同程度なら普通はできる。
一方、公務員には採用計画という強固でどうにもならないお役所仕事がある。
実際に業務が回るかどうか以前に「この部署は何人でやっていける」という前年度に建てた計画が破綻するのだから一大事である。
計画が破綻したら来年度から人を減らされてしまう、それは勘弁してほしい。とはいえ、来週求人を出して、再来週には面接して、来月から増員、なんて絶対にできない。
このように常に制度と運用に雁字搦めなのが公務員のクソなところで、これこそが公務員を辞めづらい最大の理由ではないかと思う。
では、このクソさに対してどのように辞めていったのかを紹介していく。
王道の退職方法
私のいた市役所では毎年6月に、その年度末での退職希望者のヒアリングがあった。
通常はこのタイミングで課長に相談して人事に報告、年度末までの9か月をかけて引継ぎをしていく。
他市役所ではどうか知らないが、6月というのはキーポイントだと思われる。
なぜなら、多くの市役所が6月頃に受験申込を締め切り、翌年度採用の1次試験が始まる頃だからである。
合格者数の調整が余裕をもってできるのが、6月頃ということになる。
勤め先の最終試験日を確認し、それまでに人事に話が通ればあまり揉めずに済むだろう。
王道退職のデメリット
王道は6月頃に報告、年度末に退職であるが、メリットは揉めないことくらいなのに対して、デメリットは多くある。
- 異動内示・退職辞令が面倒くさい
- 有給休暇をまとめて消化できない
- 年明け開示で実質の引継ぎ期間は9か月もない
- 辞める職場に出勤し続けなければならない
言いたいことは伝わると思うが、一応詳細を書いていく。
異動内示・退職辞令が面倒くさい
年度末退職の場合、異動内示として退職が公表されてしまう。
また、定年退職者と一緒に辞令交付式に出席を求められる。
出席の必要性は各組織によるだろうが、案内が来るだけでも煩わしいと思う。
いよいよ終わりだ!っていうときに最後まで勘弁してくれよ・・・と精神削られる。
有給休暇をまとめて消化できない
どの部署も年度末は多忙のため、基本的に3月は休めない。
部署の同僚へ、あるいは異動してくる人への引継ぎをしなければならない。
早い時期に辞めるといって、3月にまとめて休んでいる人は見たことがなかった。
周りへの迷惑を考えて年度末退職を選択するような優しい人が、多忙な時期に有給消化できるメンタルなわけがない。
半年ぐらいかけて、少しずつ有給消化するくらいが限界である。
年明け開示で実質の引継ぎ期間は9か月もない
上長によって職場への告知時期は異なる。
早めに退職が決まったのに同僚への開示は年明けになることもザラに見てきた。
職場への迷惑を考えてせっかく早くいったのに、引継ぎもさせてもらえない状況を想像した方がいい。
人事にしかメリットがなかったな・・・と思うような状況で働かないといけない可能性を考えたほうがいい。
辞める職場に出勤し続けなければならない
普通に、辞めたいのに何で働かされないといけないのか。
しかも公僕。最悪ですね。
どうやって退職したのか
以上を踏まえて、王道の退職方法はクソだと私は思っていたことが伝わっただろうか。
人生を無駄にするだけ。最後までクソな組織都合に付き合ってられっかよ。
冒頭にも言ったように、辞めたいのに辞めづらい人がとても多いと思う。
そういう特殊な職場だと思うし、その気持ちは本当に良く分かる。
でも、ここを読んでいるあなたに言いたいのは、自分の人生を貫いてほしい、ということだ。
給与、福利厚生、地域、同僚、仕事内容、家族、転職・・・色々と悩んでいるだろうし人事計画的な辞めづらさもあると思う。
しかし、私は以下のスケジュールで辞めることに成功した。参考にしてほしい。
退職時期
2020年9月30日
退職スケジュール
2020年8月17日(月)13時
・課長に相談がある、と伝えて2者面談。
用意していた退職願を提出。
課長と2時間ほど話をした後、係長とも2者面談。4時間くらい?
※決裁権者は課長なので順序はどうでも良いかな、と・・・。
事前に相談とか一切しておらず、前触れなく突然言いました。
退職したい理由をA4ペラ1枚で箇条書きしたフリーフォーマットの退職願を用意。
主旨を伝えたいので退職願としたけど、ただ辞める理由を書いただけです。
これがあったので意志の固さ(相談ではなく報告の旨)を伝えられたと思います。
2020年8月18日(火) ~ 2020年8月20日(木)
・引き止め
毎日5~6時間、係長から引き止められる。
朝から始まり昼抜きで午後までとか、午後イチから夜までとか。
様々な引き止め攻勢があったが、強い意志を示し続けた。かなり削られた。
2020年8月21日(金)
・人事課長へ規程で定められた様式での退職願を提出。
厳密には市長決裁だけど、事実上の正式な退職決定。
このまま週末迎えるのはみんな精神衛生上良くないよね、意志変わらないもんね?という決着。
決着してからは早かったが、提出は16時頃だった。
2020年8月24日(月)
・職場への周知。
朝礼で課長より今週末が最終出社なので引継ぎよろしく、という感じ。
一言求められたので「お世話になりました」という挨拶。
2020年8月25日(火)~ 8月27日(木)
・引継ぎ期間。
事前に用意していた引継ぎ書類を元に、引継ぎ。
半日かけて書類を説明、週内に質問に答える形。
・人事・総務と退職書類などのやりとり。
・有給休暇の申請
・お世話になった方々への挨拶回り。
2020年8月28日(金)
・挨拶回り(お菓子配り)
・ロッカーや机の整理
2020年8月31日(月) ~ 9月30日(水)
有給消化期間。
1回だけ退職書類関係で出勤したが、1時間程度で済んだ。
結局、10日くらい消化しきれなかった・・・残念。
準備してよかったもの
退職願
手ぶらで言うより現実味が出る。様式に沿ったものでなく、フリーフォーマットでいいので理由を書くといい。
また、退職理由を書くことによって自分がなぜ辞めたいのか、どうして辞めるのか、が明確になる。
ポイントは、辞める理由に対してこういった配慮や改善があれば辞めないのか?と自問自答すること。
人によっては引き止め攻勢がないとか上長が何もいわない場合もあるかもしれないが、私の場合は連日すごかったので、論理武装しておいてよかった。
提出しなくてもいいので、まずはアウトプットすることをオススメする。
引継書
何か月かかけて、ちゃんとした引継書を準備しておいた。
最悪、明日から来ません、という戦法も視野に入れていたので、これ読めっていうつもりだった。
所詮、引継ぎさえできれば問題なしですからね。
公務員のみなさんはご存知の通り、異動のときの引継ぎって1週間くらいしかないじゃないですか。
実質は数時間くらい?
あなたの業務は誰かに何か月も付きっきりで習ったんですか?資料渡されてお終いでしょ?
なので引継書だけはちゃんと用意しときましょう。それが必要十分な最低ラインかな、と。
絶対に辞めるという決意
一番大事なのがメンタルです。
年度途中だろうが何だろうが、人生を無駄にしないようにしましょう。
上で述べたように正社員を雇うのは難しいですが、非常勤なら割りとすぐ雇えますしね。
あなたの分の予算で十分、非常勤なら雇えますよ。
業務が回るかどうかなんて気にしてたら辞められません。
で、ほとんどの場合は1人いなくなったくらいなら回るんですよ。
立つ鳥跡を濁さず、年度末か、最低でも年末までいてくれ、とも言われました。
でも、そんなの関係ないじゃないですか。
私の人生を消費してまで、もう付き合ってられないから辞めるんですよ。
年末まで、年度末までいたら何が変わるのか?
本質的にあなたが辞めるという事実は変わらないわけで。
年度末までいたとしても、引継ぎ期間が変わるんですか?
異動で外部拠点に行く、出向する、のと退職するの、何が違うんですか?
まとめ
機を見計らって機を逃す人が多くて市役所職員は腐ってる人が多い。
特有の辞めづらさがあるなかで決断は大変だと思うけど、是非どんどん辞めてほしい。
行政が立ちいかなくならないと、世の人は分からないと思いますよ。
過労死する前に辞めましょう、沈みかかってる船ですよ。
精神病んで急に辞める人も多いですし、意外と年度途中でもスムーズに辞められます。
定年退職以外での普通退職は年に数人だけかもしれませんが、そういうナレッジが組織には絶対あります。
頑張って新しい人生、挑戦していきましょう!!!!