クソしかいねー世

クソしかいねー世に愛を叫ぶ

【201509】小説・映画とかの感想メモ

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注)感想メモなので、あらすじを記載したり考察はほぼしない。
個人的な読了後の感想をそのままアホみたいに書くだけです。

 


【漫画】

五十嵐大介『魔女』第1集、第2集

こんなに面白い漫画を描く人を今まで知らなかったことを後悔してる。

 

五十嵐大介『SARU』上下巻

すげぇ面白かった。

 

高田裕三『リトル・ジャンパー』全7巻

タイムスリップもの。

前半は面白いんだけど、後半のドタバタ感はなんなの。論理的思考ができない人間がタイムスリップものを創作すると、テーマに追いつかないっていう良い例。描くべき予定のことを描けずに終わったんじゃないか、これ。小難しいことを抜きに読めばかなり面白いとは思うけれど、それでもやっぱりちょっとなぁ…って感じ。あと、漫画って連載打ち切りとか引き延ばしとかで物語がガッタガタになること多いと思ってるんだけど、こういう設定の漫画を描く場合は、特にきちんと物語を構成して描いてほしいもんですね。

 

高田裕三九十九眠るしずめ』全3巻
高田裕三九十九眠るしずめ-明治十七年編-』全4巻

打ち切られてんじゃねえよって感じ。ものすごく中途半端なところで打ち切られていて金返せと思いました。未完でも気にしない人なら楽しめると思いますが、僕には耐えられないです。”未完で許せるのは圧倒的な大作に限る”というのが信条なので、この程度のクソ漫画では許せない。何で明治17年編と改めているのか意味不明だし、無印は一、二、三巻なのに17年編はⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ巻なのも意味不明で許せない。良いところが1つもない。

 

尾玉なみえ尾玉なみえ短編集 脳酸球』

好き。

 

尾玉なみえ純情パイン<完全版>』

好き。懐かしい。純情パインに関しては、”尾玉なみえは天才である”という派閥の主張を受け入れられないこともない。

 

尾玉なみえ『アイドル地獄篇<完全版>』

懐かしい。連載当時に純情パインに比べてクソつまんなくなったなーと思った記憶の通り、純情パインに比べてクソつまんなくなったなーと思った。

 

尾玉なみえ少年エスパーねじめ<完全版>』

懐かしい。連載当時に純情パインに比べてクソつまんなくなったし打ち切られるよなこれと思った記憶の通り、純情パインに比べてクソつまんなくなってるし打ち切り仕方ないなーと思った。

 

オノ・ナツメ『TESORO オノ・ナツメ初期短編集 1998*2008』

この人のストーリーテラーとしての感性は否定しないが、普通にそこそこ良いとは思うけど、ありふれたお洒落さのみで構成されててつまらん。

 

オノ・ナツメ『not simple』

たしかに not simple ですね~そっすね~って感じ。単館系の映画を観に行って、当たりでも外れでもなかったわ~ってときの帰り道に似た心境。金返せとは思わんけど、パンフレットなどのグッズを買う気は一切起きず、DVDとか出ても買わないだろうなー………どころか、あらすじ含めて一切の情報を消去するって感じ。まぁ、単館系映画によくある、あの雰囲気ですね。「単館系映画だから」以外の何物でもないあの空気感ですね。好きな人にとっては大好きだろうなぁ。

 

【小説】

小川一水『博物戦艦アンヴェイル』

最高かよ。

 

小川一水『博物戦艦アンヴェイル2 ケーマの白骨宮殿』

前作に比べてぬるい………。が、シリーズものとしては良かった。国王の話とかは絶対に必要になるもんね。異国の地に行ってばっかりじゃ厚みが出ないし。でも、これで打ち切られてるんだよねぇ………。切ない。『博物戦艦アンヴェイル10』くらいまで読みたかった…。

 

早坂吝『○○○○○○○○殺人事件』

第50回メフィスト賞受賞作。タイトル当てミステリ。
クッッッッッッッソくだらねぇ。あらゆる面において、メフィストだなぁ………としか言いようがない。メフィスト賞受賞作に期待する良い意味でのクソさは申し分なかった。ま、”タイトル当て”だからね。事件内容やら犯人やら探偵役やらの推理小説要素がクソでも文句を言うのはお門違いなのかな?上から目線のくせに幼稚な文章力とか、クソみたいな展開とか、物語に深みが一切ないところとか、伏線がクソみたいな質の悪いものしかないこととかさ。”タイトル当て”だもんなぁ。本文を気にしたら負けだよなぁ。評価が難しいところではあるけれど、普通に読み物としての採点をしとくことにする。アイデア先行すぎて、このアイデア凄いっしょ?って語りかけてくる感じがキモかったし、あまりにも本文が酷かったからね。まぁ、推理小説の幅を広げる経験としては読んで損はない、っていうか読んだ方が良いと思う。

 

石持浅海『フライ・バイ・ワイヤ』

石持ミステリの、この透明感はなんなんだろうね。好き。
この作品は色んな要素を色んな観点から色んな読み方ができるので、色々と楽しめると思われる。わりと最高だった。

 

周木律『眼球堂の殺人』

第47回メフィスト賞受賞作。
ゆとり世代が放つ本格(ゆとり仕様)ミステリ!!」という帯じゃないのが不思議なくらい、ゆとりクソ野郎全開の本格ミステリ。これで作者がゆとり世代じゃなかったら社会に絶望するしかない。僕もゆとり世代なので、ゆとり全開にこういう感想をインターネットにあげちゃうわけですが、自分のことは棚に置いときます。
まず酷いのが、言葉遣いである。カッコイイ言葉を使って凄いこと言ってるようで実は何も言っていない系の文体である。つまり、語彙の豊富さが クールさ or 小説としての質の高さ or 小説としての面白さ or 自身の知能は高い と思っているであろうクソさである。御大層な言葉回しをして、根拠も論拠も説明もなく雰囲気で誤魔化す手法がここ最近の流行のようだけど、ゆとってんじゃねぇぞカス。それが許されるのは、今の時代を築いた先人たちの圧倒的な筆力があったからこそで、お前の感受性と読解力ではお前の人生の読書体験では先人たちの感性の上辺だけしか理解できなかったようだけど勘違いしてんなカス死ねよって感じですね。
僕の感情を説明するに相応しい酷さが詰まった箇所を具体的にあげると、P26~P27です(一応、本格ミステリってことなんで、ネタバレにならない導入部分を選びました)。購入を検討している皆さんには、是非P26~P27を立ち読みしてみてほしい。このページの酷さを説明するのに必要な最小要素を箇条書きにすると、
・直径100mの円形の窪地に、大理石がびっしり張られている。
・直径40mの円柱状の黒い建物が、その中にある。
すなわち、面積を計算すると、
 全体(大理石の部分) = 50×50×3.14 = 7850
 黒い部分の面積 = 20×20×3.14 = 1256
 白い部分の面積 = 全体 - 黒い建物の面積 = 7850 - 1256 = 6594
つまり、大理石の部分は全体の84%、黒い建物は全体の16%である。にも関わらず、P26では「滑らかな白い材質で埋め尽くされていた」とある。お前の「埋め尽くされてる」っていう、「尽くされてる」っていう言葉の定義は、たかが84%に対して妥当な日本語だってことで良いんだよな?1割以上の反例に対して、「尽くされてる」っていう感覚を持っている人間なんだって認識して良いんだよな?それって数学的にも、本格ミステリ的にも、日本語的にも、僕は君を頭が弱いゆとりだと決めつけるに十分なんだけど、マジで言ってんの???
さらに言うと、P27で「黒い建物が白い器に内接する点は、ちょうど二人の真横に立つ小屋と同じ位置にあった。」とあるので、足元からは直径40mの黒い建物が広がっているはずである。にも関わらず、「白い材質で埋め尽くされていた」とか、大理石に反射した光で「眩しさに目が眩み(P26)」とか、意味不明だ。数学的にも建築学的にも視覚的にも納得できないんだが?これで国立の建築学科でてますとか、よく言えるなって感心しちゃうね。まぁ、太陽の位置とか光の差し込む角度によってそうなったんだよ!って無理矢理なこと言われたら、「目が眩み」ってのは納得できなくもないけどさ………でもさ、P29で住居の立地に関して、「つまり、1番日が高い正午ですら、太陽の光が届くことはない永久の日陰となるわけだ」って主人公の天才数学者が言ってますしね?地の文ではないとはいえ、作者が天才と設定した人物が間違ったこと言ってはないだろうし………まったく日が差さない窪地にある大理石が、どうやったら目が眩むほど光るんですかね?異常現象ですか?作者はアホなんですか?本当に建築学科を卒業できたんですか???
で、そんな素敵な住居に対する感想が「この未曾有の光景(P27)」とかいう意味不明なカッコイイワードで提示されるからね。いやはや凄いことですよ。「未曾有」っていう言葉に耐えられる描写が出来てないよな?意味不明だよな?反省しろや、ゆとりクソ野郎。って感じ。そういう違和感のある日本語の使い方やカッコイイ言葉による意味不明な描写とかカッコイイ言葉遣いなだけで何も描写できていないところが全篇にありまくって非常にイライラした。
もっと酷いのが、天才という設定の登場人物が軒並み天才に思えないという根本的な問題だ。会話や建物に関する考察などが、明らかに天才のそれではない。クールでもエレガントでもない。
エレガントさに欠けるという点では、トリックや犯人についてもクソである。『眼球堂』という名前から連想されること、図面の提示、柱の本数、枯山水についての会話、全体的にクソみたいな文体ではあるが明らかにおかしい箇所、すべて直接的に出揃いすぎている。これで分からないっていう方がおかしい。別に、犯人やトリックがほとんど分かってしまうことは悪ではないが、せめて自分で設定した物語の主題に合わせてエレガントさを意識しろやカスって感じ。3大奇書、もしくは清涼院流水御大を読んで出直してこい。
要するに、感想は次のたった一言に集約される。こんなのメフィストじゃない!!!!!!

 

 

 

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大掃除するときのために個人的な点数を書いとく。
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90~100:最高としか言いようがない。。。
80~  :出会えて良かった!
70~  :なにこれすげー面白いじゃん!
----越えられない個人的なツボ----
60~  :かなり面白い
50~  :わりと面白い
40~  :ちょい面白い
30~  :普通
20~  :特に面白くないし印象がない
10~  :お金を払ったことを多少後悔している
 0~  :ゴミに限りなく近い
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83点 五十嵐大介『魔女』第1集、第2集
88点 五十嵐大介『SARU』上下巻
41点 高田裕三『リトルジャンパー』全7巻
 2点 高田裕三九十九眠るしずめ』全3巻
 1点 高田裕三九十九眠るしずめ-明治十七年編-』全4巻
50点 尾玉なみえ尾玉なみえ短編集 脳酸球』
76点 尾玉なみえ純情パイン<完全版>』
45点 尾玉なみえ『アイドル地獄篇<完全版>』
45点 尾玉なみえ少年エスパーねじめ<完全版>』
32点 オノ・ナツメ『TESORO オノ・ナツメ初期短編集 1998*2008』
35点 オノ・ナツメ『not simple』


67点 小川一水『博物戦艦アンヴェイル』
53点 小川一水『博物戦艦アンヴェイル2 ケーマの白骨宮殿』
17点 早坂吝『○○○○○○○○殺人事件』
71点 石持浅海『フライ・バイ・ワイヤ』
 6点 周木律『眼球堂の殺人』